
2008.06.20 Friday
聖戦の報酬
「わたしはそんな褒美は約束していない。熱に浮かされたのか?」
領主セットン卿にののしられ、バーナードは自分の耳を疑った。
あの時彼の聖地出征を条件に、確かにセットンは報酬を約束した。
無事に戻ったあかつきには、末娘クレアと領地が授けられるはずだった。
バーナードが四年にわたって当方の戦場を生き抜いてこれたのも、
騎士仲間五人の友情と、その約束があったからだ。
司教の立会いのもと、髪と交わした誓いに知らぬふりを通す気か?
怒りに燃えるバーナードは求めるものを手に入れるべく行動を起こした。
機を見て九レアを捕え、愛馬とともに城を飛び出したのだ。
身代金さえ受け取れば彼女を解放しよう。
今と同じ無垢のままで。
だが、心の底では分かっていた。彼女を手放すことなどできないとー
黒薔薇の騎士の第三弾。
王の定めによりのシャーリ・アントンの作品です
一番「十字軍」の本質を突いている作品だと思います
日本では宗教的色の濃い本というのは敬遠されますが
実際の十字軍というのはかなり俗深いもので
「贖罪」の名のもとに「少年」をかなり無理やり連れて行ったのが
現実であったようです
実際バーナードは穴だらけの鎖帷子にお古の兜、
そして老馬という準備で聖地に借り出されます
シャーリーアントンは容赦なく当時の様子を描き出し
その部分は涙が出てきそうなほどであります
そして「聖地」からの「聖物」についても
具体的に例を上げているのは非常に珍しい
実際妙な物が多かったらしいです……彼女はそれを否定するでなく
バーナードの行動を使って
微妙に表現しているのが印象的でした
十字軍に参加するのはこうした「聖なる商品を手に入れるため」という人も
多かったという本もあるぐらいです
この本は歴史的な面白さとという表現になるかと思います
甘ったるい恋愛が苦手な方に
ご満足いただけることと思います

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